永代借地権とは
日本と外国の深い問題
永代借地権は、日本と外国に横たわる深い問題がかかわっているものです。
皆さんは「居留地」というものをご存知ですか?
居留地とは、日本で「外国人が住むことを許された土地」のことを言います。
この歴史は古く、安静5年にアメリカ、オランダ、ロシア、イギリス、フランスと日本幕府が結んだ制度です。
1858年のことですから今より100年以上前にできた制度になるわけですが、この永代借地権にまつわる問題が非常に大きいということで、問題になっていました。
永代借地権の問題
なぜ永代借地権が問題なのかというと、税金も免除され、土地代も非常に安いという条件で貸すことを認めたからです。
さらに、その土地は住んでいる外国人が永遠に所有することができるという条約でした。
ここまで書けば解ると思いますが、明らかに日本側に不利な内容となっています。
日本人が土地に税金を払わなくて良くて、しかも安く借りることができるなんて、絶対に考えられないですよね。
これは「幕府が外国人に土地を売りたくなかったため、苦肉の策として作られた権利」なのですが、当時から「不公平が過ぎる」として問題になっていました。
日本人は高いお金を出して土地を借り、税金まで払っているのに、外国人がなぜ安く借りられるのかという議論はおきて当たり前です。
この不公平な権利は明治の時代まで続き、明治時代にはこの権利をなんとか公平に持っていくことが条約改正の鍵であるとも言われたくらいです。
当時にしてみても、非常に不公平感の強い条約であったことがこのことから解ります。
しかし、やはり簡単に改正されることはなく、昭和17年になってやっと廃止されたというほど問題は長引きました。
一度相手にとって有利な条約を結んでしまうと、その後に平等に持っていくのは大変であるということですね。
米軍基地と沖縄
実は、外国と日本の不公平感というのは永代借地権に限りません。
米軍基地があるために外国人が多い沖縄では、米軍が事故を起こしても日本の法律で罰を与えることができないという難しさがあります。
このため、沖縄が日本政府に抗議をしているという現状も。
このように、日本と海外の不平等さというのは今でも日本の地に残っているため、根本的な改善をするための努力が必要になります。
そのためには、やはり政府に強い態度でいてほしいものですね。
永代借地権は現在は所有権となり、問題は解決しましたが、安易に相手に有利な権利を与えるものではないという教訓になったといえるでしょう。