事業用定期借地権とは
事業に利用される土地の借地権
事業用定期借地権という制度があり、これは定期借地権の一種となっています。
定期借地権の中でも事業用、つまり居住用以外の用途に関する借地権のことです。
たとえばロードサイドショップとして利用されたり、ガソリンスタンドに利用されることがあります。
土地所有者にとっては、自分で店舗を建設してそれを賃貸するよりもメリットが大きいのです。
事業リスクをまったく負うことなく、地代収入を得ることができるため、土地の有効活用として利益が大きいです。
年間に得られる地代収入は土地代の3から6%程度となっているため、比較的高いです。
事業リスクが低いにも関わらず、得られる可能性のある利益は高いため注目されています。
ただし、事業用定期借地権には存続期間があるというデメリットがあり、10年以上から20年以下に限定されています。
この点は以前から問題視されていて、この期間を過ぎてしまうと建物を壊して更地として地主に土地を返さなければいけないのです。
この場合、借地人はどんなに長くても20年経過すれば、土地を元の状態に戻して返す義務が生じてしまいます。
しかし、税法上では建物の償却期間は20年を超えているため、その際には除却損を計上することになり、事業者にとっては不利益となります。
このような問題点があったのですが、平成20年からは法律が改正されて、存続期間は10年以上から50年未満となり、法律上の問題点はなくなりました。
事業用定期借地権のメリット
事業用定期借地権は50年未満という存続期間に拡大されたため、いろいろなメリットが生じます。
借地人にとっては利用しやすい制度となり、借地期間の設定はより柔軟に対応できるようになりました。
土地所有者にとっても、以前の制度よりも土地を貸しやすくなったのです。
20年で建物を壊すことを前提とする必要がなくなり、建設投資も回収できるようになったため、事業者にとってのメリットは大きいです。
また、街にとっても、事業用定期借地権を企業が利用したとしても長期的なまちづくりに配慮してもらえるようになりメリットがあります。
事業者にとっては実際に土地を買うよりも、借地人として利用した方がコストを抑えることができます。
土地代はかなりかかってしまうため、そのコストを抑えることはとても重要なのです。
事業用定期借地権であれば、50年近くの長期的な展望を持ちながら土地利用が可能となります。
長期的な視点を持って事業を進めていくことができるため、かなり自由度が高くなったのです。
これからは事業用定期借地権を企業が活用して事業を進めていくケースが増えていくでしょう。
また、地主にとっては土地を活用する方法として、事業用定期借地権はとても良い選択となります。