公共性の高い土地家屋調査士

    土地

    まだまだ認知度の低い土地家屋調査士

    土地家屋調査士は60年以上の歴史のある資格です。
    国家資格でありながらまだまだ認知度が低い資格でもあります。
    しかし、取り扱っている仕事の内容は国民の多くの身近なものですし、登記を支える大事な仕事です。

    土地家屋調査士はどういった仕事かというと、土地や建物の所有者に代わって表示に関する登記の申請手続きをしたり、調査や測量をしたり、土地所有者に代わって筆界特定制度の活用のための申請手続きをしたりします。
    表示に関する登記というのは土地や建物の物理的な状況をはっきりとさせるために行う登記のことです。

    登記というのは土地ならば所在、地番、地名、地積など、建物ならば所在、家屋番号、種類、構造、床面積などといった土地や建物がどこにどのような状況にあるのかということを明らかにしていきます。
    これを仕事として行うことが認められており、唯一の国家資格者が土地家屋調査士なのです。

    なお、司法書士も権利の登記をしますが表示に関する登記が前提になければ登記をすることができません。
    表示に関する登記をすることができるのは土地家屋調査士なのです。

    マイホームと土地家屋調査士

    マイホームを建てる際胃も土地家屋調査士はかかわりが出てきます。
    いろいろな場面でのかかわりがあり、まずは土地を買うときには土地境界画定図を作成するのが仕事です。
    それ以外にも建物を建てる際にも建築用地の敷地調査や接続する道路についての手続き、法務局の資料調査や現地調査や測量結果をもとに建物表題登記といったことも行っています。

    土地家屋調査士になるには

    土地家屋調査士になるには毎年8月に行われている筆記試験に合格をしてその後11月に行われる口述試験に合格したのち、土地家屋調査士会の名簿に登録をすることが必要です。
    試験の受験資格についても合格後の土地家屋調査士としての登録についても特に実務経験や学歴は必要ありません。
    そのため誰でもいつからでも挑戦することができ、ほかの国家試験に比べるとハードルが低いものといえます。

    実務経験や学歴が必要ないことで誰でも挑戦がしやすいですが、あくまでも理屈上であり実際には試験勉強もありますし、仕事を始めてからも覚えることは多いです。
    そのため資格を取得することはもちろん、仕事を始めてからもきちんと勉強することが求められます。

    特に測量や不動産登記については想定外のことが起こることも多いです。
    そのため教科書の知識だけでなく実務経験をもって身につけていくべきこともあります。
    そこで実際に土地家屋調査士としての経験を積み、自分で測量や計算します。
    そして図面と申請書の作成をして表題登記の申請が通るようになって初めて土地家屋調査士になったといえるようになります。